護衛艦はたかぜを見る
さて、護衛艦シリーズの第2弾です。
今回紹介するのはこちら、
DDG-171
はたかぜ型ミサイル護衛艦1番艦のはたかぜです。
はたかぜは1986年に就役、当初は対ロの主力艦として登場しました。
4隻の建造予定でしたが2番艦のしまかぜ建造中に米国よりイージスシステムの供給が決定、以後こんごう型イージス艦建造に移行するために3番艦以降の建造を中止された経歴を持ちます。
現在でもはたかぜ型は現役として活躍していますが、2019年11月に磯子入り、練習艦に転用すべく2020年2月現在もドック入りしています。
さて、はたかぜ型ですが海自の中でも中々特徴的なお船でして、まず唯一ブルワークが付いています。
これは前級であるたちかぜ型ではターターシステムを艦後部に設置していたものを艦前方へ移動させたためであり、このシステムに波が被らないように付けられたとされています。
(ブルワークを後ろから撮ったもの)
これがついているのは本級のみとなります。
これがターターシステムのミサイル発射機となります。
イージス艦では垂直発射装置であるVLSから同時に数発を撃つことも可能です(同時交戦は13発まで可能)が、ターターミサイルは1発ずつ撃ち、最大で2発まで同時交戦が可能です。
はたかぜ型までの海自ミサイル護衛艦は基本このタイプで、当時は「もしロシアが飽和攻撃を仕掛けてきたらどうするんだ」と議論になったようです。
そのためイージス艦の導入を求めたと言われています。
また、はたかぜ型は現役で唯一前後に主砲を装備しています。
前部主砲はターターミサイル設置の都合上、やや高いところにありますが後部は甲板上にあります。
前後で砲の高さが違うことも特徴の1つといえます。
また、後部主砲の左右にはCIWSも装備されています。
この装備位置も特徴の1つです。
そしてこちら、アスロックです。
前回紹介した護衛艦あさひでは垂直発射装置の中に格納されていたアスロックですが、この船ではこの箱の中に格納されています。
これが船の横を向いて箱が開き、アスロックが放たれるという仕組みです。
写真の通り大きさはかなり大きく、軽くカプセルホテルの1部屋分くらいはありそうです(笑)
この写真を撮ったのはドック入りする直前の公開時です。
艦番号が褪せてきています。
新しい護衛艦や現役で留まる護衛艦は綺麗に塗り替えられる/塗り直されることが多い(錆も塗りで隠したりします)ですが、練習艦に改造する際艦番号も3500番台に改番されることから放置されていることがわかります。
この褪せからもはたかぜの先が長くないことが嫌でもわかってしまいます。
護衛艦としての現役最後の観艦式は中止になってしまいましたが、公開では艦これの旗風とコラボ、夢のWはたかぜを撮影出来ました。
(写真左の人が被っていてアレですね…)
はたかぜの晴れ舞台を見れなかったことは残念ですがファンの心には最後の姿まで残ったのではないでしょうか?
最終的にイージス艦の登場により中途半端な立ち位置(汎用護衛艦も複数目標と同時交戦することが可能な為)となってしまったはたかぜ。
彼女はこれから練習艦として、表舞台から離れても陰で海上自衛隊を支えることとなるだろう。
デハデハ〜